REITはオフィスへの投資が一般的となっていますが、ホテル・旅館への投資に特化したREITもあります。
まだまだメジャーとはいえず、2014年4月時点で、星野リゾート・リート投資法人とジャパン・ホテル・リート投資法人の2銘柄のみがある状態ですが、今後の賃料の上昇が見込まれるため、期待する向きも多くなってきています。
観光庁によると、2013年の国内の宿泊者数は延べ4億5600万人に達しており、4年連続で増加しているとのことです。

星野リゾートが設立母体となり2013年7月に上場した星野リゾート・リート投資法人は、旅館を中心として投資を行っています。
4月時点での保有物件数は6件、総額は150億円ですが、5月には24物件、183億円を取得することが決まっているとのことです。

一方、ホテルを中心とした投資を行っているジャパン・ホテル・リート投資法人は、保有物件総額1576億円で、東京ディズニーシゾートに隣接して集客力のあるヒルトン東京ベイなどが主力物件となっています。

<旅館ホテル系投資法人の収益について>
これらのリート投資法人は、保有物件をホテル運営会社に賃貸し、賃料収入で収益をあげる形をとっています。
景気回復を背景にホテルの稼働率は高まっており、ホテルの稼働状況に応じて受け取る「変動賃料」の比率はジャパン・ホテル・リートが約30%、星野リゾート・リートは約10%となっており、これがさらに収益を押し上げています。

予想分配金利回りはジャパン・ホテルが4%台、星野リゾートは3.8%と、オフィス系リートの2%台を大きく上回っています。
ただ、ホテル・旅館系リートは景気や災害の影響を受けやすいこともあり、リスクへの耐力についてはまだ未知数の部分があります。
現在の時価総額については、星野リゾートの場合、上場44銘柄の中で最小規模となっており、大口の売買で大きく値が動く可能性もあります。
保有総額が増えていけばより安定した投資対象になる可能性は少なくなく、今後、注目されるべき銘柄であることには間違いありません。

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