2013年度末までにREITが取得した不動産保有額について、東京、大阪、名古屋の三大都市圏以外の地方物件の比率が3/1を超え、過去最高水準に達したとのことで、都心に集中していた不動産投資が地方に向かうという傾向が鮮明になりました。

SNBC日興証券の調査によると、2013年度末におけるREITの保有不動産総額は11兆5千億円で、このうち東京、大阪、名古屋の三大都市圏以外の地方物件は約4兆円とのことで、全体の34%を占めています。
前年度の伸び率においては、三大都市圏の12%に対して、地方は28%と都市圏を大きく上回った伸び率となっています。

大きな要因の一つとしては、インターネット通販の拡大を背景とした物流センターへの投資の拡大があげれます。
インターネット通販がユーザーによる翌日配達のニーズに対応するために都市近郊に物流センターを求めた結果、通販会社に貸し出すためにREITが多数の物件を購入してきました。
ところが、都市近郊に物件が不足した状況になったことの他、比較的経費が安くすみ、大都市へのアクセスが良好な地方に物流センターを求める動きなどもあり、地方へのシフトが鮮明になりつつあるようです。

こうしたREITマネーの地方への流入は地域経済の活性化にも貢献することが期待されます。
これは、地方での物流施設の整備が進めば、その場所で数千人規模での雇用が発生することも見込まれることによります。

ただ、地方では優良物件に投資が集中する傾向があり、全体的な地価の回復は、都心に比べてまだ遅れている状況です。
不動産投資の裾野が拡大していくかどうかが今後の地方の不動産市況の回復に大きく関わっているようです。