株式会社東京カンテイは三大都市における新築マンションの収益性の分析結果を発表しました。
分析対象は東京、埼玉、神奈川の新築マンションで、2009年~2013年のマンションPERの推移が示されています。
PERとは、分譲マンションの価格が、同じ駅勢圏の分譲マンション賃料の何年分に相当するかを求めた値で、低ければ収益性が高く、高ければ収益性は低いことになります。
例えば、分譲マンションの価格が4,800万円で、賃料が月20万円の場合、
4800/(20×12)=20 で、PERは20.00となります。
<東京のマンションPER>
2013年の東京23区主要駅(豊洲、勝どき、二子玉川、麻布十番、中野)のマンションPERは、麻布十番を除き前年度よりも下がり、収益性が上昇する結果となっています。
駅名 | 豊洲 | 勝どき | 二子玉川 | 麻布十番 | 中野 | 23区平均 |
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70㎡価格(万円) | 4,824 | 5,714 | 5,296 | 9,552 | 6,357 | |
70㎡賃料(円) | 211,121 | 228,087 | 208,699 | 281,185 | 215,535 | |
PER | 19.04 | 20.88 | 21.11 | 24.58 | 28.38 | 22.88 |
23区の平均値(22.88)と比較すると、豊洲(19.04)、勝どき(20.88)、二子玉川(21.11)は平均よりも低く、中野(24.58)および麻布十番(28.38)は高い状況となっています。
湾岸エリアに位置する豊洲や勝どきは2年連続で23区平均よりも低い数値を示しており、なかでも勝どきは直近5年全てにおいて23区平均を下回っています。
一方で、都心に位置し、毎年高級物件の供給が続く麻布十番は直近5年全てにおいて23区平均を上回る結果となっています。
なお、東京都下主要駅(三鷹、府中、吉祥寺、八王子、田無)のマンションPERについては、吉祥寺を除く4駅は全て東京23区平均を下回る数値を示しています。
駅名 | 三鷹 | 府中 | 吉祥寺 | 八王子 | 田無 |
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70㎡価格(万円) | 5,529 | 4,734 | 7,331 | 3,579 | 3,780 |
70㎡賃料(円) | 188,291 | 162,538 | 205,136 | 130,645 | 125,422 |
PER | 24.47 | 24.27 | 29.78 | 22.83 | 25.12 |
住みたい街の調査で毎年ランキング1位に登場する吉祥寺は、その高いブランド力から高級物件が供給される傾向が強いうえに、都心から近いという立地条件の良さなどから、家賃も高く、2013年のマンションPERは都心の麻布十番よりも高い29.78となっています。