東京市場では、デフレ脱却に伴う不動産市況の好転を見越したREIT(不動産投資信託)の買いが増えており、上場不動産投信全体の値動きを示す東証REIT指数が約2ヶ月ぶりに心理的な節目である1500を上回りました。

不動産市況の回復でオフィスビルの空室率低下は続き、2014年末から15年末にかけてはオフィス契約賃料の上昇も期待されます。
不動産投信は分配金利利回りが高い上に、こうしたオフィス賃料の上昇期待などが買い材料となり、先行きの収益が読みやすいため個人投資家の買いを集めている模様です。

REITには、保有物件のテナントが退去する際は事前通知があるため、株式投資のように企業の収益環境の急変による減配等によって受ける損失のリスクが小さいという特徴もあり、このことも投資家にとってはメリットとなっています。
また、株式の配当に当たる分配金に着目した資金流入もあり、REITの平均分配金利回りは5月1日時点で約3.7%と、0.6%程度で推移する長期金利を大きく上回っています。

投信を経由した個人の投資マネーの流入で、需給も改善し、東証のによると、投信による3月のREITの買い越し額は約330億円とのことです。

今年4月、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がREIT投資を始めたと発表があり、運用比率をどこまで高めるかが注目されています。
このGPIFの動きをめぐって、REIT指数はこの先の先高感を強めていくのではないかとの見方が強まっています。