区分所有のメリット
<比較的少額の資金ですむ>
1棟の建物に投資するよりは少額の資金ですむため、過度の借入を起こさずに投資を行うことができます。
初めての不動産投資を無理なく行うには適しています。
1棟物件から始めるよりは、自分のペースで買い足して資産を増やしていくことができます。
<リスク分散ができる>
複数の区分所有物件を異なったエリアのマンションに投資することによって、リスクを分散することができます。
地震による被害や環境の変化によって建物ごと物件の価値が下がる場合もあり、その影響が投資事業全体に及ぶリスクを回避できます。
区分所有のデメリット
<賃貸の客付けで後回しになる>
賃貸物件を扱う不動産業者の立場で考えると、1室だけの大家さんよりも、1棟丸ごと依頼してきた大家さんの物件を優先して客付けをしたいということになります。
したがって、駅間近など、よほど条件のいい物件でない限り、後回しにされる可能性は少なくありません。
都心ならそれでもなんとか客は付くかもしれませんが、地方になると依頼する不動産業者が少ない上に後回しになるので、なかなか決まらないことがあります。
<古くなっても建て替えはほとんど不可能>
ワンルームマンションは、適当な時点で出口を考えるのが投資戦略としてベストとなります。
ずっと持ち続けた場合、古くなった建物はそのままでは廃墟になってしまうので、必ず建て替える必要が生じます。
ただ、8割以上の所有者の賛成、建て替え時の資金の調達方法など、現行では建て替えのハードルはあまりにも高く、実際にその建物に住んでいる人が思い入れと決意を持って事にあたらない限り成就はしないでしょう。
特に投資用のワンルームマンションの場合、それぞれの所有者が古くなった物件自体にあまり興味がないのが普通です。
仮に建て替えを考えるにしても、投資用の物件の建て替えに多額の負担金が生じるとなれば積極的にはなれず、建て替えはまず不可能といっていいと思います。
建て替えに成功するケースとしては、未消化の容積率分の床面積を増やして分譲することによって負担金をゼロにするというのがほとんどです。
ところが、投資用マンションに特化した建物の場合、容積いっぱいまで使用している場合がほとんどなので、この方法による建て替えは不可能ということになります。
可能性があるとすれば、行政が次のような対応をする場合になります。
1.容積率の見直し
2.容積率未消化の原因となっている規制の見直し(日影規制、斜線規制など)