<新耐震基準と旧耐震基準の違い>
1981年(昭和56年)6月新耐震基準が導入され、旧耐震基準の「震度5程度の地震に耐えうる住宅」との規定は、新基準では「震度6強以上の地震で倒れない住宅」に変更されました。
旧耐震基準の建物は中地震に耐えるように設計されていましたが、新耐震基準以降の建物は、中地震に対して損傷しないことに加えて、大地震に対して倒壊しないことや、平面・立面において構造部材をバランスよく配置することなどが要求されています。

<新耐震基準の効果>
平成7年の阪神淡路大震災においては、建築物の被害は、旧耐震基準の建物、中でも1971年以前に建てられた建物に集中しており、大破、倒壊が約35%となっています。
1971年(昭和46年)にも耐震基準の大規模な改正があったため、このような結果になったものと思われます。
一方、新耐震基準の建物では、大破、倒壊に至った建物は10%未満にとどまっています。

<新耐震基準に適合した建物の建設時期>
1981年6月1日に新耐震基準に基づいた建築確認審査が開始されたので、適合する建物は建設期間を考えると、鉄筋コンクリート造の場合、規模にもよりますが、概ね新耐震基準施行から1年以上後に竣工したものになります。
したがって、1981年10月に竣工したマンションの場合、時期的には新基準施行後ですが、構造の審査は導入以前に行ったもので、新耐震基準には適合していないものと思われます。

<新耐震基準に適合しているかどうかを知るには>
新耐震基準に基づいて建設された建物は建設費が割高になるため、当時は旧基準による駆け込み申請があったため、新耐震基準施行後に竣工したものの中にも新基準に適合していない建物が多数あるものと思われます。
こういったグレーゾーンにある建物については、確認通知日が新耐震基準施行後になっているかどうかを見ることによって新耐震基準に適合しているかどうかを見極めることができます。

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