建築基準法や地方公共団体が制定する条例によって、建物の建設には様々な規制がかけられています。
専門家ではないので全てを知る必要はありませんが、販売図面に記入されている事項については一通り理解しておく必要があります。
法令や条例は改正を重ねていることも多く、内容についても複雑なため、不動産業者でも誤った理解をしている場合があります。
全て不動産業者をあてにするのではなく、自分でも調べておいてみる必要があります。
防火による規制
都心では防火地域に指定されている場所が多く、そこでは木造建築が規制されるため、鉄筋コンクリート造のマンションだけが建つことになります。
都23区内でも、都心を少し離れれば、防火地域より規制の緩い準防火地域が多くなり、そこでは通常の木造アパートの建設も可能になります。
地方では、防火地域の指定は一部商業地に限られるため、木造アパートは大部分の地域で建設が可能となります。
容積率
都心の商業地域では容積率の指定が400%以上であるのが一般的です。
400%の場合、敷地いっぱいに建物を建てたとして4階建てが建つことになります。
ただ、境界いっぱいに建てようとしても実際には工事が困難になるため、境界から40~50cm程度はあけて建てるのが一般的です。
また、マンションの場合、共用廊下や階段、エントランスホール等は容積から除外できるので、実際には2割程度床面積の大きい建物を計画することができます。
他にもいろいろな理由がありますが、容積率400%の敷地には、他に規制がなければ8階以上の建物が建つのが一般的です。
容積率が高く設定された地域では、敷地の高度利用が可能なため、地価は高くなります。
地価・評価の高い場所に2階建てのアパートを建てるというのは、敷地を有効に活用しているとはいえません。
したがって、仮に法令上、木造が可能であったとしても、容積率の高い地域では鉄骨造か鉄筋コンクリート造のマンションが建つことになります。
都心の立地のいい場所は、通常容積率が高く設定されているため、鉄筋コンクリート造のマンションがほとんどです。
高さ制限
都心で容積率の高い地域には厳しい高さ制限は設けられていないのが一般的で、そういう地域では鉄筋コンクリート造の高層マンションが建つことになります。
都内でも都心を少し離れれば、駅に近くても容積率が200%程度と低い地域があり、防火による規制がないかわりに、日影規制や斜線等による高さ制限が厳しく、3階建てさえも難しい場合がありますが、そのような場所では2階建ての木造アパートが多く建つことになります。