不動産物件を購入した場合、ローン完済まで持ち続けるか、中途売却するか、の2つの道があります。
不動産投資における出口とは、一つの不動産投資における手仕舞のことで、通常は物件の売却が出口になります。
不動産投資においては、購入した時点から出口戦略を考えておく必要があります。
<物件をずっと持ち続けると>
ローンを完済すれば、その物件は完全に自分のものになり、その後はキャッシュフローもたくさん出る、という考え方の人は多いと思います。
将来の個人年金がわりに不動産投資を行っている人は、元々がそういう考えで不動産投資を始めた人でしょう。
ただ、完済した時点の物件は、かなりの築年数が経過したものとなっているはずで、物件としての魅力も乏しいものになっているかもしれません。
区分所有のマンションでは、水回りなど修繕が必要な部分が出てくる場合もあります。
1棟のアパートやマンションでは、大規模修繕が必要になる時期が迫っているかもしれません。
また、空室率が高くなるなどして、家賃を下げる必要が出てきたり、間取りの変更や設備の入れ替えが必要になる可能性もあります。
築年数が経った物件は、それまではかからなかった費用が大幅にかかる可能性が少なくないことを頭に入れておく必要があります。
<売却による出口>
築年数を重ねた物件には様々な費用がかかることを見越して、その物件が高く売れるうちに売却すれば、より条件のいい次の投資に向かうことができます。
そして、適切な売買を繰り返すことによって資産を拡大していくことが可能になるのです。
「一つの物件を長く持ち続ける」よりは「常に資産価値のある魅力的な物件を持ち続ける」という方が理にかなった不動産投資であるといえるでしょう。