どんな事業でも、1箇所だけに投資を向けるのではなく、分散投資することによってリスクを軽減するという考え方があります。
不動産投資における分散投資としてもっとも一般的なのは、複数の物件を異なるエリアに持って運営していくということになります。
また、エリアだけでなく、建物の用途・属性・築年数など、様々な分散戦略が考えられます。

<1.エリアの分散>
複数の物件を同じ地域に持った場合、地震などの災害の影響を同時に受けるリスクが生じます。
また、近隣に魅力のあるライバル物件が多数出現することや、物件の価値を下げてしまうような環境の変化など、当初は予測することが難しいリスクが発生する可能性もあり、持ち物件が同じエリアにあった場合、全ての物件が影響を受けることになります。
これらのリスクを軽減するためには、物件の地域を分散させるのがベストです。

<2.築年数や投資時期の分散>
中古物件の場合、修繕が発生するまでの時期が新築物件より短いのが一般的で、購入して数年で修繕が必要になるケースも少なくありません。
外壁の塗り替えやエアコンや設備機器の交換など、多額の費用がかかるものは注意しておく必要があります。
複数の物件に同時にこれらの修繕が必要になった場合、費用的な面で対応が難しくなる可能性もあります。
したがって、中古物件を続けて購入する場合は修繕する時期が重ならないように配慮する必要があります。
築年数を分散することによって同時修繕発生のリスクを軽減することができます。

<3.賃貸用途の分散>
居住用物件だけでなく、店舗やオフィス、駐車場など、用途を分散させることによって、特定の用途に対する需要減が起こった場合のリスクに対処することができます

<4.その他の物件属性による分散>
同じような属性の物件ばかりでなく、様々な属性の物件に投資することもリスクの軽減につながります。
ワンルームマンションだけでなくファミリータイプにも投資する。
区分所有のマンションだけでなく1棟買いアパートにも投資する。
木造物件だけでなく鉄筋コンクリート造物件にも投資する。
これらによって特定の属性の需要が減少した時のリスクを軽減することができます。
上記の1.~3.に比べればリスク軽減効果は小さくなりますが、不動産投資においては、こうしたリスク分散の考え方を常に持つことが大切になります。

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